魔物とありす

思えば、私は大舞台で強いタイプなのかもしれません。
プレッシャーがかかっているくらいのほうが、力がだせるんです。

本番の試験でした。
今までに何回も過去問を解いたときのなかでも、今日ほどはっきり問題の答えが見えたことはありませんでした。
問題を作ったひとが、いったい何を聞きたいのかまでが、入試問題の行間からもれて伝わってくるような、そんな感覚です。
手ごたえはあります。
おそらくは、だいじょうぶです。
何かが憑き物がついたようでした。
試験会場には魔物が棲んでいるって本当だったんですね。

試験終了後には、まずあの人に報告しました。
その話をあの人にしたら、それは違うと言われました。
魔物なんていない、何も憑いてはいない、試験ができたのはありすが今まで努力してきた成果でしかない、って。
そうなのかもしれません。
きっと自分でも気付かなかっただけで、私自身が魔物なんです。