未熟者とありす

冬季講習新年二日め。
この日も授業終わった後、Fちゃんといっしょに自習室に残って先生に教わってました。
私は、ダニエル老師（英語のS先生のあだな・・・）に関係代名詞のところを質問してました。
Fちゃんは新米に数学を見てもらっていました。

しばらくして。
新米がなにかあせったような様子でダニエル老師に助けを求めてきました。
Fちゃんは、席についたまま下を向いて、すこしふるえていました。
Fちゃん、泣いてたんです。
新米はダニエル老師に言われて、もうしわけ無さそうな顔をしながら自習室を出ていきました。

あとで聞いた話によると、Fちゃんの涙の理由は、新米に計算力の無さを指摘されたことが原因なのだそうです。
たしかに、Fちゃんって計算が苦手なんです。
でも、数学の理論がわかってないわけじゃないから、ゆっくりと時間をかけてなら、ちょっと難しめの問題だって解けます。
けど、新米にはそれがもどかしく感じられたのでしょう。
君に必要なのは応用よりも基礎だよ、というようなことを言ったらしいのです。

新米の未熟者。
生徒には、それぞれちがった自分のペースがあるってことが新米にはわかってない。
じれったい解き方でも、それがFちゃんのペースなのに。
ダニエル老師になだめられながら、私とFちゃんは塾を後にしました。
新米は悪気があって言ったんじゃないと思うよとかフォローしたけど、次にまたこういうことがあったら、新米には顔面にパンチをお見舞いしようと思いました。